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偽造書類が審査を厳しくする

一昔前の入管は、外国人労働者や配偶者が少なく「性善説」で申請書類を審査していましたが、外国人の往来が多くなった現在、偽造書類を入管に提出し就労・結婚ビザを不法に取得しようとする外国人が増加したので、不法就労や偽装結婚の申請が多い国の申請者に対しては「性悪説」で審査しています。 

当事務所にも、以前下記のような外国人女性と結近したいという相談を受けました。

その女性は、アジアの某国出身で10年以上前に日本人と結婚するときに、書類手続を現地の「結婚ブローカー」に依頼しました。

ブローカーは、女性の両親が正式な結婚をしなかったために、彼女には「出生証明書」がなく、「出生証明書」を偽造して入管へ提出しました。

しかし、当時の入管審査では偽造書類を認識できず、女性は「日本人の配偶者等」のビザを取得しました。

その後女性は離婚し、新たに日本人と再婚するときに入管から出生証明書を要求されたので、現地の役所に「出生証明書」を請求しましたが、元々出生証明書自体偽物ですから、証明書が存在していないことを知らされました。

結局、彼女は出生証明書を取得することができず、また、以前申請した出生証明書が入管に偽物であったことが知られ、本国に帰国することになりました。

その国は、出生証明書は勿論、大学の卒業証書や成績表、更に医師免許証まで、注文すれば何でも簡単に本物そっくりに作成してくれます。

今では入管もその国が「偽造証明書天国」であることを把握していますから、申請書に記載された現地の住所を調べたり、電話を掛けたり、関係機関に確認を取ったりするなどして、書類が真正であるか否か調査しています。 

近年不法就労が増加している某国人の申請は、特には厳しく審査され、また、ある業種に関しては、入管は内部でデーターベース化までして調べ上げています。

日本で働きたい外国人

日本で働くために職歴や学歴を偽造したり、名前を変えて新たなパスポートを取得したりして、日本に入国しようとする外国人もいます。

外国人全体からみると数は少ないですが、今後も増えることがあっても減ることは無いでしょう。 

そのような外国人は、言葉は悪いですがその国の道徳心やモラル、教育レベルが低いことと比例して増加します。 

私が偽造書類を多数発行される国籍の外国人と面談したときも、本人は高卒と言っていたのが実際は小学校を中退だったり、子供がいないと言っていたのに、実は2人いた(但し、結婚はしていない)といった、笑えない話があります。 

ですから、外国人の雇用を考えている方は、提出された書類をそのまま信用するのではなく、職歴や大学の成績書について詳しく本人に確認を取るなどして、偽造書類の協力者にならないよう注意が必要です。

証明書を確認する

入管へビザ申請の添付書類として出生証明書や卒業証明書等は、現地で取得する必要があります。

しかし、開発途上国出身の外国人を雇用する場合は、十分な注意が必要です。 

雇用に関しては、職種にあった学歴や経歴書が必要になりますので、大卒なら卒業した大学のHPを確認したり、成績表で履修科目を確認するなどして、業務とマッチングしているか調べる必要があります。

但し、その大学が存在していても、卒業証書や成績書が偽物の場合もあり得るので、注意が必要です。

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